PAにおけるモニタースピーカーのお話

PA機器 特集
渋谷店デジタル担当の鳴尾です。
今回は、ライブPAには欠かせないモニタースピーカーについてのお話を。

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モニターの役割
モニタースピーカーは演奏者にとって非常に重要な役割を果たすことは皆さまご存知ですね。自分の演奏する音はもちろん、一緒に演奏するメンバーの音を確認する役割をします。
私も経験がありますが、ライブでイマイチモニターから聞こえる音がわかりづらかったり、ハウリングがとまらなくなったりすることがあることと思います。今回はそんな際の対処法や、ちょっとしたノウハウをご紹介します。

ハウリングはなぜ起きる?
これはご存知の方も多いと思いますが、こういうことですね。

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マイクで拾った音がモニターから出て、その音をまたマイクが拾ってしまう、そのループ状態に陥ってしまったときに起こるのがハウリングです。

そのハウリングの音にはいろんなものがあります。それは高い「キーン」という音であったり、時には「ブーン」と低い音であったり。そのハウリングの音の違いはその音の周波数が何らかの原因で持ち上がってしまっていることで起こります。これがエレキギターとアンプであればかっこいいフィードバックとなるのですが、ことマイクのハウリングとなるとそうもいきません。

実はハウリングのその音の違いが次にご説明するモニターのチューニングの必要性に関ってきます。

モニターのチューニング
モニタースピーカーを使用する際、チューニングを行うことでハウリングを抑制することができます。

モニターのチューニング?と思われると思いますが、前述の通りハウリングは特定の周波数域が持ち上がってしまうことで起こります。それはモニタースピーカーが設置されている環境によって変化するので、どの帯域がハウリングするのかはその時々で変わります。つまりこれをうまく抑えてやることで防ぐことができるのです。これが「モニタースピーカーにおけるチューニング」です。

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代表的なのはやはりグラフィックイコライザー、通称「グライコ」を使用する方法ですね。
実際にモニターの前にマイクを持って立ち、声を出しながらPAの方がチェックしてるのを見たことがある方もいるかと思います。「ヘイヘイ、チェックワンツー、ハー↑、ハー↓、チッチッ」みたいな感じでやっている、あれがチューニングを行ってる場面です。

実際には経験と慣れが必要になる作業ではあるのですが、例えば「キーン」というハウリングは「チッ」っとちょっと舌打ちをするような感じでマイクに声を入れると、その音に反応して「キン」という音がしたりします。その際はおおよそ5Khz辺りのハウリングが考えられるので、グライコでその辺りのフェーダーを少し下げる、そして再度チェックする。そういう繰り返しで行う作業になります。

そんな難しいことを誰もができるわけではないので(でなきゃPAエンジニアさんが成り立ちません)、最近ではここら辺の帯域がハウリングの原因だと教えてくれるタイプのグライコなどもございますし、セットのPAシステムなどではハウリング抑制機能があらかじめ内蔵されていたりもします。ご自身でPAシステムを構築してライブされる方などはお悩みになられることも多いかと思います。ぜひご相談ください。

昨今ライブハウスではデジタルミキサーが導入されているところも多いので、アイパッドなどでミキサーを遠隔操作しながら調整なんて場面も見かけることもあると思います。それまではモニター側とミキサー側2人で作業を行う必要がありましたが、遠隔操作ができることで1人でもセットアップが可能になります。

YAMAHA LS9のStageMix for iPadの紹介動画でごらんいただくとわかりやすいかと思います。0:26位からグライコの調整をしていますね。


ライブでうまくモニターするためのコツ
これは自身の経験談でもあるのですが、重要なのは「モニターからいろんな音を出しすぎないこと」、これが一番かと思います。どうしてもこの音が聞こえにくいのでその音を上げてほしい、と思うのはごく当たり前のことだと思うのですが、それに執着してしまうとどうしてもよい結果にならないことが多くなります。特にボーカリストの方は自分の声が聞こえない状態では歌うことはほぼ不可能となると思います。

そこで、私がいつも実践する方法は「モニターを自分の声だけにする」方法です。ボーカリストの方でなければ、モニターの返りを無しの状態にしてもらうのもよいかと思います。
その状態で演奏してみれば自分にとって足りない音がかなりわかりやすくなります。もちろん、エンジニアさんのスタンスやリハーサルの持ち時間などもありますので、この方法がいつも一番とは言えませんが、フラットな状態から必要な音を足していくことで自分には必要でない音はモニターから返らなくなるため、スピーカーから返ってくる音がより明瞭になってくるのです。つまり、演奏しやすくなるということにつながります。

ライブ活動される方には当たり前のようにあるモニタースピーカー。快適にライブのため参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!

この記事を書いた人

鳴尾 篤彦
渋谷店デジタルフロア担当。幼少に始めたピアノを始め、ギター、ドラムも演奏するマルチプレイヤー。DTM、レコーディング、PA関連のノウハウもあり、リハーサルスタジオや飲食店の音響システムのプランニングなども手掛ける。幅広い知識と経験でみなさまの音楽ライフをサポートいたします。

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