DTMでボーカルレコーディングを始めたい方へ その1~マイク編~

いつもありがとうございます!御茶ノ水本店デジタル担当の今宮です。

自宅でボーカルレコーディングを始めたい!さて、何を買ったらよいのか!?という質問をよく店頭で受けます。最近のパソコンのスペックの進化で、ある程度機材を揃えれば、自宅でちょっとしたレコーディングが出来てしまう、という時代。でも、何を揃えたらよいか分からない、、という方は多いようです。

今回は音の入り口であるマイクからお話ししたいと思います。
マイクには大きく分けて、ダイナミックマイクコンデンサーマイクがあります。

ダイナミックマイクとは、皆さんがライブハウスでよく目にする、SHURE / SM58などに代表されるマイクです。

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SHURE / SM58-LCE

音の振動に反応する部分で、振動を電気信号に変換することで音を入力するのがダイナミックマイクの特性です。ライブなどで使用する際に、ボーカル周りの音を拾いづらい指向特性のものが多く、丈夫で湿気に強いことも特徴です。

SM58は単一指向性 (カーディオイド) という特性で、周囲の雑音をカットし、ボーカルの音をしっかりと拾ってくれます。ライブシーンやクラブDJ、さらには、アメリカの大統領演説でも使用されたワールドスタンダードマイクですね。

ダイナミックマイクには比較的安価なものもあり、SHUREの「PGA48-LC」は5,000円を切る価格で購入可能です。

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SHURE / PGA48-LC

頑丈で初心者の方にも扱いやすいため、手軽に声を録音したい、という方は、ダイナミックマイクから始めてみるのもアリですが、コンデンサーマイクは、ファンタム電源(外部電源)を使うマイクで、ダイナミックマイクに比べ感度が高く、主にレコーディング向きとされています。

音を拾うのに振動だけを使うわけではなく、電極兼振動板に電圧をかけて(この電圧をかけるのに電源が必要なのです)、振動によりコンデンサーの間隔が変動することで生じる静電容量の変化を電気信号に変換することで入力するもの、がコンデンサーマイクの構造となります。

よって、よりしっかりとクリアにボーカルを録音したい、という方は、感度の高いコンデンサーマイクを使って本格的な自宅レコーディングを始めてみるのがオススメです。

当店では以下のコンデンサーマイクが入門モデルとして人気です。

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audio-technica / AT2050

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audio-technica / AT2035

ちなみにこの2つのコンデンサーマイク、「AT2050」と「AT2035」の違いですが、「AT2050」には指向切り替えスイッチが付いており、単一指向、双指向、全指向の切り替えができます。

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DB

たとえば、ソロのボーカルだけをレコーディングするなら単一指向(写真のスイッチ真ん中)、ネットラジオでの対談を向かい合ってレコーディングするなら前と後ろ両方の音がとれる双指向(スイッチを右)、バンドの演奏をいっきにライブレコーディングするなら全指向(スイッチ左)、といろいろシチュエーションに応じて変えられるのが「AT2050」の便利なところです。

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なお、「AT2035」は単一指向なので、ソロのボーカルしかレコーディングしない、という方はこちらをチョイスしても良いかも知れません。上の図が「AT2035」の指向特性です。

「AT2050」の感度−42dBに比べ、「AT2035」は-33bBと高くなっています。(0に近いほうが感度が高くなります)

また、これらのコンデンサーマイクにはローカットスイッチとPADスイッチがついています。

PAD

自宅でレコーディングする際、エアコン等を付けておくと風の音が入ってしまうため、ローカットスイッチ(写真左)を入れることである程度防ぐことができます。屋外の風などのある場所のレコーディングでも効果を発揮します。ただ、ボーカルレコーディングの際は、なるべくエアコンやノイズの原因になるものは切っておいたほうがオススメです。

また、PADスイッチ(写真右)は、入力信号を下げたいときに使用します。もし昼間、屋外の音がけっこう入ってしまうような環境にお住まいの方は、PADスイッチを-10dbにしてみると、効果的だと思います。

そして、レコーディングをする際にオススメしたいのが、ポップガードとリフレクションフィルター。

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Seide / Metal Pop Guard MPG-100 メタルポップガード

コンデンサーマイクで声をレコーディングする際、「パ」行の発音の破裂音が入ってしまうことがあります。このポップガードを使用することで声の発音から出る風の音をカットしてくれます。網が全て風を下に流すようになっているため、マイクに風が当たりません。ポップガードの後ろに手をあてて、ポップガードに向かって「フーッ」って吹いていただくと、手に風が当たらないことでよくわかるかと思います。

また、リフレクションフィルターは自宅の部屋にデッドスペースを作るためのナイスなアイテムです。

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SE Electronics / Reflexion Filter Pro リフレクションフィルタープロ

これにより部屋の残響を減らすことができ、ルームリバーブを減らして音をクリアに録音できます。こちらはマイクスタンドに取り付け可能です。

そろそろ本格的なレコーディング部屋が出来てきました!あと必要なものとしてはマイクスタンド、ケーブルですね。

このマイクスタンドは安価ながら、ブーム部分を外せばストレートスタンドとしても使用でき、楽器からボーカルレコーディングまで幅広く使えます。

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KIKUTANI キクタニ / MS-200 マイクスタンド

ちょっと自宅のスペースが狭くて大きなマイクスタンドが置けない方はこちら。


キョーリツ / MDS-1500 デスクトップマイクスタンド

そして、ケーブルもお忘れなく。こちらは定番のケーブル。

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HEXA / Microphone Cable NC3FX-NC3MX 3m キャノンメス / キャノンオス

マイク購入時、ほとんどのマイクにはケーブルは付属しておりません。
なお、マイクケーブルはキャノンタイプ(XLR)とフォンタイプがあります。上の写真のものがキャノン×キャノンタイプ。アメリカのキャノン社が開発したのでキャノンケーブルと呼ばれていることはトリビア。

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HEXA / Microphone Cable NC3MX-PH 3m XLR(M)-Phone

キャノン×フォンタイプはこちら。
ちなみに、キャノンタイプはHOT、COLD、アース(GND)の3構成で形成され、フォンタイプはHOT、COLDのタイプになります。アースがあるキャノンタイプのほうがノイズが出ずらく、ケーブルが抜けづらいのも利点。レコーディングでは、出来ればキャノン×キャノンタイプをチョイスするのがオススメです。

また、ケーブルはオーディオインターフェイスや録音機材にあった形状のものをチョイスしましょう!

というわけで、今回はマイク編をお届けしました。次回はオーディオインターフェイス編をお届けします!お楽しみに!

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