レコーディングマイクロフォンの定番~Neumannマイクロフォン

渋谷店デジタル担当の鳴尾です。

本日はレコーディングマイクロフォンの定番中の定番!Neumannマイクロフォンについてご紹介しましょう。

Neumann(ノイマン)社について

1928年にドイツのベルリンでGeorg Neumann氏によって創業され、もうまもなく創業90年となる老舗のマイクロフォンメーカーです。創業後まもなく、同社初のコンデンサーマイクロフォン「CMV 3(The Neumann Bottle)」がリリースされます。

これは世界初の量産に成功したコンデンサーマイクロフォンとなりました。
現在でもこのマイクロフォンを模したデザインのマイクロフォンが数多く存在しますが、その始祖となるモデルがこのCMV 3なのです。CMV 3は当時のドイツの国家元首の演説に使用したことでも有名なマイクロフォンです。サイズは高さ40cm、直径9cm、重さは3kgと、現在のコンデンサーマイクロフォンと比べると大きく、重量もあるモデルでした。このCMV 3の開発において生み出された、M7カプセル(音を拾う中心となる部品・後にK49に変更)が後のノイマンの成功を導くこととなります。

U47マイクロフォン

1947年、Neumannにとって大きな成功となるのがこのU47マイクロフォンのリリースです。

CMV 3に搭載されたM7カプセル(後にK49に変更)にTELFUNKENのVF14真空管を使用したU47は2枚のダイアフラムを搭載するデザインで、単一指向性と無指向性の指向性切り替えを搭載した初のコンデンサーマイクとしてリリースされ、大成功を収めます。現在でも貴重なヴィンテージマイクとして、現役で使用されることもあるマイクロフォンの1つとなっています。

U67マイクロフォン

そして、1960年に現在のU87への流れとなる重要なモデルがリリースされます。それが、U67です。

U67は現在では標準である、3種類の指向性(単一指向・無指向・双指向)切り替えを搭載した最初のマイクロフォンで、真空管を内蔵。その暖かく、音楽性の高いサウンドは現在でもレコーディングスタジオで使用されることも多い1本となっています。特に当時、多重録音創成期の中マイクを取り囲んでのコーラス録音などにも重宝され、U67は数々のアーティスト、エンジニア、プロデューサーに愛用され大ヒットとなりました。

U87

その後、1960年代に真空管に変わる素子としてトランジスタの普及が進み、世の流れで真空管を用いた回路からトランジスタを用いた回路を使うことがトレンドとなる中で、1967年に初代のU87がリリースされます。U87はU67をベースに真空管に変わりトランジスタを採用した回路を持つモデルとしてリリース。初代モデルは7pinコネクターを採用し、本体に内蔵したバッテリーでの駆動も可能となっていましたが、2世代目であるU87iは標準的な3pinXLRコネクターを採用しー48Vファントムパワーで駆動するマイクロフォン(U87i)となりました。

これまで、真空管を採用したマイクロフォンには専用のパワーサプライが必要でしたが、トランジスタ回路を採用したことにより、消費電流が抑えられ、専用のパワーサプライでなくミキサーなどから供給されるファントムパワーでの駆動が可能となったのです。そして、真空管では電源を入れてから動作が安定するまでの時間が必要だったのに対し、それも必要ないといメリットを得ることができました。現在主流となっているファントムパワー駆動の仕組みを開発したのも実はNeumannなのです。

1986年に現在のU87aiとなった際にバッテリー機構は取り除かれ、DC/DCコンバーターを搭載することで感度の向上とS/N比の向上が図られました。

Neumannのマイクロフォンの特徴としてはハイエンドの伸びは勿論のこと、しっかりとしたミッドレンジを持っていることで、それにより抜けの良さだけでなく、しっかりとした存在感のある収音が可能な点が挙げられます。
まさにライブユースのマイクロフォンがSHUREのSM58が定番な様に、レコーディングにおいてNEUMANNの特にU87は定番として多くの場面で利用されています。それは音楽的に優れたサウンドであることと、素材を選ばず高品質な収音ができること。長い歴史の中で多くの名演が収録され、そのサウンドを耳にした多くの人の心に残ったその瞬間に、Neumannのマイクロフォンが多くあったのです。

現行モデルは渋谷店でも展示販売中です。是非お試し下さい。またの機会に現行モデルのラインナップのご紹介も出来ればと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました!

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