「DX」「CS」「YC」「CP」。YAMAHA「reface」の正体は、歴史を象徴するハイグレード・コンパクト・キーボードだった!

数週間前、突如として「reface」という謎のティザー動画を公開したYAMAHA。
「DX7の復活か!?」 「CS-80を再現するのか!?」 など、期待を込めた憶測が世界各国を飛び交っていましたが、本日ついにその正体が明らかになりました。

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今回発表された refaceシリーズ は、ハイグレードな音源を搭載した37ミニ鍵盤のキーボード(シンセサイザー)。
「DX=FM音源」「CS=アナログモデリングシンセ」「YC=オルガン」「CP=エレピ」と、YAMAHAの歴史の象徴ともいえる音源をそれぞれに搭載しています。順に特徴を見ていきましょう。

 

reface DX

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1983年発売の大ヒットモデル、DX7でおなじみ「FM音源」を搭載。エレピやベルなど、複雑な倍音を含むキラキラした金属音に個性を発揮します。32音色プリセット内蔵。タッチスライダーによる操作が可能。当時のDXにはなかったエフェクトも搭載しており、即戦力になります。

「reface DX」のFM音源は「最新の4オペレーターFM音源」です。
「え、4オペ?(しょぼい…?)」と思ってしまうかもしれませんが、これ、4オペではあるけれど、技術の進化によって6オペにも負けない幅広い音が出せるようになっているんです。

各オペレーターのフィードバックが、旧来のものとは違い、サイン波・三角波・矩形波と変化させれるため幅広い倍音を出すことができるようになっているとのこと。また、エフェクターが搭載されていることも大きく、6オペ時代には、コーラス代わりにオペレーターを並列してデチューンしていたこともあるくらいですから、本体のエフェクト機能が、豊かな音色に寄与しています。

ヤマハスタッフが、「reface DX」をプロミュージシャンに持回り、音を聞いて頂いたそうですが、かの有名なFM音源のプロも大絶賛、とのことでした。

 

reface CS

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こちらは、スライダーで音作りが可能な8ポリ、アナログモデリング(バーチャルアナログ)シンセ。その昔のCSシリーズはアナログシンセでしたが、こちらはモデリングとなります。想像以上に太い音をしています。
LFOをOSCにかけることができます。これにより、OSC SYNCでSync Lead、PWMらしいパッドなど幅広い音作りが可能です。ノコギリ波とMODを使い、「Super Saw」のような音色も出せます。白のデザインも実物はなかなかいい感じです。

 

reface YC

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オルガンのYC。オルガン専用のOrgan Flutes音源を搭載しています。バンドには不可欠なオルガン音色。当時から現在に至るまで色褪せることのない、古き良き、でも現役バリバリの高品位で本格的なオルガン音色を搭載しています。ロータリースピーカー、ディストーション、リバーブとオルガンサウンドに不可欠なエフェクターも搭載。
このサイズに凝縮すると、デザインもレトロで超おしゃれですね。

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▲スライダーがドローバーになっている。

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▲ロータリースピードを切り替えるスイッチノブと音色切り替えノブ。順にHAMMOND、VOX、FATAR、ACE TONE、YCとなる。

 

reface CP

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ステージピアノでおなじみ「CP」。「Rhodes mkI」「Rhodes mkII」「Wurlitzer」「CLAVINET」「TOY PIANO」「CP80」といった6音色搭載。現代のCPシリーズ同様、SCM音源。サスティンペダルは、ハーフダンパー対応の「FC-3A」が使用可能です。

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▲秀逸なエフェクトも搭載。スイッチノブは、ビンテージを操作しているような楽しみが。

それぞれに音色のコンセプトを持った refaceシリーズ には、音源以外にも相当なこだわりがあり、4機種共通で注目すべき点があります。

 

新開発「HQ Mini鍵盤」

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昨今はステージやレコーディングの現場でも多用されつつあるミニ鍵盤。「reface」シリーズは、新規に開発した「HQ Mini鍵盤」を採用しています(かつてのMIDIキー「CBX」とは違うのです!)。強弱表現に優れ、ベロシティが非常につけやすい仕様です。また、支点を奥に置いていて、鍵盤の奥の方を押さえても発音するので、弾いてきて気持ちよく、しっかり演奏できます。

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▲この辺で打鍵してもちゃんと音が出る。

 

「ハイグレード」な出音

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ミニ鍵盤のコンパクトのキーボードというと、どうしても安っぽいイメージがありませんか?
しかしながらrefaceシリーズ は、この筐体から出ているとは思えないほど、しっかりとした出音。フルサイズのシンセに負けません。音源はもちろんのこと、DAコンバーター、アナログ回路にも徹底的にこだわっているんです。大バコでの使用も全く問題ありません。

 

スピーカー搭載/電池駆動も可

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本格的仕様でありながら、やっぱりあると嬉しいスピーカー。「まぁこのサイズじゃ…」と、即時妥協モードでしたが、意外としっかり鳴ってくれる!AV機器も手掛けるヤマハ、さずがでした。

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▲底面の穴がバスレフポートになっている。

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▲電池駆動にも対応。アルカリ電池6本で約5時間駆動。エネループなど充電池も使用可能です。

「スピーカー搭載&電池駆動可能」=「シールドとACアダプターから解き放たれる」
普段ステージや制作でガンガン鍵盤演奏する人でも、気軽に演奏したいとき、これって大事ですよね。

ちなみに、こんなオプション品も発売予定とのこと。
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そうなんです。サイドに取り付け、市販のストラップをつけると、ショルダーキーボートになります。(アタッチメントは、2016年発売予定。)

 

MIDI/USB端子

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MIDIはブレイクアウトケーブルが標準付属予定。USB端子も装備。コンパクトで場所をとらない、スピーカー搭載ですぐに音が出せる(思いついたフレーズをすぐ演奏できる)、鍵盤の強弱表現も豊か、ということで、音楽制作用のMIDIキーボードとしての使用もおすすめ。

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▲AUX IN端子も装備。iPhoneなどでオケを流しながら演奏といったことも。

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▲ACアダプターは新機種「PA-130B」。プラグは脱着式でソフトケースの中でかさばらない。

他ににお伝えすべきこととしては、全体的に意外と「重い」。軽いプラスチックではなく、ボディやパーツにもしっかりこだわり、質感を本物よりに仕上げています。演奏時の不安定さもありません。

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「もう一度手に入れるシンセサイザー。」
「2台目のサブキーボードとして。」
楽器とともにミュージックライフを「reface」してみてはいかがでしょうか!?

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そして、本シリーズの発売により、プロも唸るような上位モデルへの発展へとつながっていくことも期待しつつ、店頭発売日を迎えたいと思います。

【YAMAHA/Reface DX/CS】
■発売日:2015年9月1日(火)
■価格:48,600(税込)

【YAMAHA/Reface CY/CP】
■発売日:2015年11月2日(月)
■発売日:2015年10月1日(木)になりました。
■価格:48,600(税込)

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