試奏レポート｜「nord wave2」実際に触れてみた！

公開済み 2020年6月25日 · 更新済み 2020年12月9日

イシバシ楽器 WEBSHOP キーボード担当の藤野です。

先代モデルnord waveが生産完了になってから数年、待望のnewモデル nord wave2 が登場！2020年7月17日発売となります。

バーチャルアナログ、ウェーブテーブル、FM、そしてサンプルと個性が異なる４つの⾳源を、完全に独⽴した4 パートにアサインし、レイヤー、スプリットすることで、これまで以上に多彩な音作りやライブパフォーマンスが可能になります。

早速触れる機会がございましたので、先代モデルなどnordユーザー、鍵盤奏者目線で少し掘り下げてみたいと思います。

まずは、デザインの変更点についてです。

先代モデルは49鍵盤でnord leadデザインでしたが、nord wave2は61鍵盤で、さらに箱型鍵盤セミウェイトタッチになっております。

サイドパネル部分にモデル名が印字されるなど、これまでのnordシリーズには無い新たなデザインとなっております。パッと見ただけでもインパクトがあり、ステージ/スタジオ映えしそうです！

パネルレイアウトですが、こちらも大きくデザインが変わっております。従来のnord waveは、nord leadの進化系として登場したデザインでしたが、今回登場のnord wave2は「パフォーマンスシンセサイザー」をコンセプトとしており、nord electroの系統な印象がありました。

具体的に見ていきましょう！
nord wave2は「シンセサイザー」なので、様々な波形から音を作る事ができます。難しいことはなく、操作部分は非常にシンプルな作りとなっております。

レイヤースライダー部分のすぐ左側のところがシンセの波形を決める部分で、nord wave2の特徴「4種の音源」はここで選択します。オシレーター毎に細かい音作りをする操作ノブはなく、ディスプレイが配置されているだけです。深く作り込まなくてもOSCコントロールノブでデチューンやシンクの度合いを設定するだけでオシレーターの設定は完了してしまいます。

オシレーターパネルの付近にLFOなどのパネルがありますが、こちらも非常にシンプルなデザインとなっております。レイヤースライダー部分の右側にはADSRが配置されており、更にその右側がエフェクト部分になります。

一番左側のディスプレイが配置されている所が、プリセットを呼び出す等のプログラム操作となります。そして、中央部分のスライダーでレイヤーなどを操作します。

主な操作はこれだけなので、nord electroのように少ないシンプルな操作で演奏に集中できるレイアウトになっております。もちろん、nord lead4の様に深く作り込むこもでき、アルペジエーターやゲートなど、過激なシンセサイズもできます！

次に、シンセ音源を演奏する際に欠かせないのが「ビブラート」ですが、なんと、ホイールを使わなくても勝手にビブラートかけてくれる機能が搭載されております！

「VIBRATO」カテゴリーに「DLY1,DLY2,DLY3」と表記されてますが、鍵盤を弾いてからどのタイミングで自動でビブラートがかかるか、という設定です。絶妙なタイミングがプリセットされているので、左手でホイールが操作できないような場面でもビブラートをかける事ができます。更に、アフタータッチに対応しておりますので「AT」を選択すると、鍵盤を押し込むだけでビブラートをかける事もできます！エレクトーン奏法ですね(笑)

この様に、ちょっとした事ですが奏法に直結する部分がパネルにレイアウトされている所がnord wave2の魅力ですね。

パネル全体を見渡すと「GROUP」と書かれているボタンが多い事に気付くかと思います。これはパートをグループ化する事ができ、グループ内を一括で操作できる仕様になってます。

中央の４本あるスライダー下のA〜Dボタンを押す事で、各パートのパラメーターをパネルに表示さ操作をしていきますが、例えば、AとCのパートに同じエフェクトをかけて操作したい、Dのパートにはエフェウトを通したくない等の際、グループで纏めておく事でエフェクトのかかりをグループ内のパートのみに反映させる事ができます。

まだまだ奥の深いシンセですが、今回ご紹介いたしました機能だけでもかなりの音作りとパフォーマンスができます！

ステージ上での演奏など、瞬時に色んな事を要求される場面ですぐに対応できる、キーボーディストには心強い一台だと思います。
専用ケースも今秋発売予定とのことです。

新たなデザインになっても、nordらしくプレイヤーが要求するポイントをしっかり抑えて、分かり易く扱い易いレイアウトが変わらず継承されている所もnordならではの魅力です。