マルチタップディレイ、EQ比較、ビデオ書き出し|Steinberg、Cubase10.5を発表!

昨冬、Steinberg Cubaseは、「VariAudio 3」や「チャンネルストリップの再設計」「Groove Agentの新バージョン搭載」などの新機能をまといバージョン「10」になり、あれから1年。更なるワークフローの進化を遂げた、「10.5」が発表されました。

新機能を順番に見ていきましょう。(記事中の[]は、その機能を搭載するバージョンです。)

 

EQ とスペクトラルカーブの比較モード [Pro]

1つのEQ ディスプレイ内で2つのチャンネルのスペクトラルカーブを重ねて表示できるというもの。この機能を利用することで、キックとベースのかぶりをなくす編集がやり易くなります。また、楽器ごとの帯域がどうなっているか視覚的に確認するのにも役立ちそうです。

 

MultiTap Delay プラグイン搭載 [Pro / Artist]

タップ (最大8個) の量を調節できるディレイエンジンを備えた新しいディレイプラグインが搭載されました。
タップごとにパンニングの調整をしたり、タップにエフェクトをかけたりすることができ、ディレイを使ったフレーズ作りが簡単に行え、また特徴づけも容易に行えます。


▲ディレイのキャラクターも選択できる


▲「LOOP EFFECTS」「TAP EFFECTS」「POST EFFECTS」それぞれに複数のエフェクトを設定可能

 

オブジェクト選択ツールと範囲選択ツールの結合 [Pro / Artist]

ツールバーで「選択ツールを結合 (Combine Selection Tools)」をオンにすることで(オブジェクト選択ツールの左側)、オブジェクト選択ツールと範囲選択ツールを同時に使用できるようになります。

 

非録音時の MIDI 入力データ記録の改善 [Pro / Artist / Elements /AI /LE]

停止モードまたは再生中に演奏したMIDIノートを、より簡単にそして便利に取り込めるようになりました。今回下記の改善を加えています。

・各トラックで演奏される MIDI データを取り込むために、MIDI トラックまたはインストゥルメントトラックごとにMIDIデータ記録用のバッファーを用意。
・サイクル範囲内に、バッファーを 1 つの連続した (直線的な) MIDI パートとして挿入するか、スタックされた MIDI パートとして挿入するかを選択できるように。
・記録操作はインスペクターで行えます。

 

「プロジェクトからトラックを読み込み (Import Tracks from Project)」の改善 [Pro]

制作過程で、別のプロジェクトファイルのトラックを引っ張りたいとき、より細かく属性を指定できるようになりました。
「ノート情報を含むかどうか」「エフェクトの設定を残すかどうか」「オートメーションを含めるかどうか」等、取り出したいデータの選別が行いやすくなります。

 

ビデオの書き出しに対応 [Pro / Artist / Elements]

MP4ビデオファイルとして書き出しができるようになりました。昨今は、手軽に映像編集や投稿が行えるようになりましたので、MVの作成などにも役立ちます。Pro、Artistだけでなく、Elements、AI、LEでも対応。
11/14追記:AIとLEは非対応とのことで修正しました。

 

Padshop 2 [Pro / Artist]

Padshop と Padshop Pro の各バージョンとファクトリーコンテンツを統合し、さらに新しい機能とコンテンツを追加しました。

 

MixConsoleチャンネルの色付け可能 [Pro / Artist / Elements /AI LE]

MixConsoleチャンネルの色づけに関して、背景まで色付けできるようになりました。ボーカルは赤色、コーラスはピンク、シンセ系は青色といった風にカテゴリーごとにトラックの色分けをされている方は多いと思いますが、ミキサーの背景まで色付けられることで、ミックスの際の視認性が向上します。

 

ノーマライズの参照先としてラウドネスを使用 [Pro]

LUFS を使用するラウドネスを、ダイレクトオフラインプロセシングの「ノーマライズ (Normalize)」を使用してノーマライズできるようになりました。

【その他】

■スコアエディターの改善 [Pro]
・譜表名に複数のサブ名を設定できるようになりました。
・音符挿入時の位置ルーラーを用意しました。音符を入力または移動する際、1 小節に 1 つタイムルーラーが表示されます。

■トラブルシューティングに便利なセーフスタートモード [Pro / Artist / Elements / AI / LE]
サードパーティー製のプラグインを無効化した状態でCubaseを起動できるようになりました。
不具合が発生したときの原因究明に役立ちます。

■プロジェクトの自動有効化機能が無効に [Pro / Artist / Elements / AI / LE]
従来のバージョンでは、複数のプロジェクトを同時に立ち上げた状態で有効化していたプロジェクトを閉じると次のプロジェクトが自動で有効化されていました。Cubase10.5では上記の際、有効化するプロジェクトを任意で選択することができます。

 

無償バージョンアップ(グレースピリオド)について

2019年10月17日以降にCubaseをアクティベーションした方は、バージョン10.5へ無償でアップデートしていただけます。無償バージョンアップ対象かどうかの確認や詳細につきましてはSteinbergサイトをご参照ください。

※2019年11月13日の10.5がリリースとなるのは、「Pro」と「Artist」です。「Elements」「AI」「LE」 は、順次リリース予定です。

【動作要件】

【Cubase10シリーズ 価格】

Cubase Pro(通常版):57,000円+税
Cubase Pro (アカデミック版):38,000円+税
Cubase Artist(通常版) :32,000円+税
Cubase Artist(アカデミック版):18,000円+税

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