「JUNO-DS」のスゴイところをRolandの担当さんに聞いてきた。
Rolandの定番シンセ・JUNO-Diの血統を受け継ぐ待望の新モデル・JUNO-DS。
10/24(土)に迫った発売日を前に、Rolandの担当さんからJUNO-DSの「スゴイところ」を聞いてきました。
JUNO-DSの開発にあたって、先代モデルとなるJUNO-Diがどのような用途、シチュエーションで用いられているかを徹底的にリサーチしたところ、大半のユーザーがバンドのキーボードとして使用、また約6割のユーザーから「ピアノ音色をメインに使用している」との回答があり、「良いピアノ」の音をメーカーとして再考する為に開発チームでブラインドテストを行ったそうです。
最終的にJUNO-DSに収録されたサウンドは、歴代機種に収録されていたトーンをベースにデザインされた新規波形のアコースティックピアノ。サウンドの質感としては全体的にスマートで引き締まったトーンとなっており、煌びやかな高音域から感じられる華やかさが印象的でした。
「バンド演奏の中で真価を発揮すること」に重きを置いて最適化されたストリングス、オルガン、シンセなども新規搭載するほか、JUNO-Diの音色データもまるごと内蔵していますので、音色データの完全互換が可能。つまりJUNO-Diで作成された音色のエディットデータをそのままJUNO-DSで使用することができるのです。エディットした音色を保存するWriteボタンを専用に用意し、複雑な操作なしに音色の設定保存がボタン一つで簡単できるのも嬉しいところ。
こちらの宇都圭輝さんのデモ演奏を見て頂ければその音色の良さを実感して頂けるかと思います。
JUNO-DSでの新規音色は音色名にDS表記が付き、細かい部分ながら音色の並び順も再設定されているので、より短時間で「求める音」を選びやすくなっています。
ローランドシンセの音色ダウンロードサイト「Axial」から無償でダウンロードできる拡張音源・EXPシリーズは全10タイトルが用意されており、1タイトル当たり400音色ほどを追加可能なので、大雑把に欲しい音の方向性を考えながらバンドメンバーと色々な音色を試してみるのも楽しそうですね。
JUNO-Diの美点であった簡単な操作性はそのまま引き継ぎ、2つの音色を重ねるデュアル、鍵域を分割し複数の音色を演奏するスプリットは、それぞれ専用の設定ボタンが用意されています。
デュアルモードでは本体左側のスライダーで2つの音色のバランス取りができ、スプリットモードでは、スプリットボタンの長押しで鍵域の分割点(スプリットポイント)が変更可能。
この辺りの良く使う操作が手軽にできるようになっているのも、スタジオでの手早い音作りには役立ちそうです。
本体右側に新規に追加された8つのパッドは8トラックのシーケンサー、または8つのフレーズパッドとして使用可能。
シーケンサーとしての機能はシンプルで、長尺のトラック作成に使うというよりは、楽曲のイメージを他のメンバーに伝えるメモ代わりや、ループに演奏を重ねていくソロパフォーマンスなど、ループをベースにしたパターンシーケンサーとしての用途が向いていそうです。
重量に関しては持ち運びが苦にならない可搬性を前提に、「モノとしての質感を残す為に敢えて過剰な軽量化は避けた」とのことで、61鍵で5.3kg、88鍵モデルで16.2kgとなっています。
88鍵モデルのJUNO-DS88では、分厚い木材を本体底面に使用し筺体の剛性を稼ぐことで、鍵盤を押し込んだ時の感触・安定性を向上させています。JUNOというエントリ―モデルながら、エスケープメント付きという弾き心地にこだわった仕様は、マニアックながらも非常に的確なポイントだと思いました。
JUNO-Diからの基本を大きくは変えずに、既にある美点を素直に伸ばしたJUNO-DS。
とにかく手軽に良い音を出せるのでJUNO-Diからの乗り換えだけでなく、キーボードの入門用として、ボーカル、ギターやベース、ドラムなどを既に演奏しているプレイヤーの方など、とにかくバンドマンにオススメのシンセサイザーです。
【Roland / JUNO-DS】
■発売時期:2015年10月24日(土)
■価格:
61鍵:73,000+税
88鍵:120,000+税