いまさら聞けない!?~ボーカルのエフェクト、加工
渋谷店デジタル担当の鳴尾です。
さて、本日は!ボーカルのエフェクトや今や当たり前になったボーカル加工についてご紹介しましょう!今回は概要編として、各々の詳しい解説は次回以降にご紹介していきたいと思います。
ボーカルに使われるエフェクター(基本編)
空間系エフェクター
ライブやレコーディングでよく使われるのが、リバーブやディレイでしょう。リバーブはお風呂やホールのような残響を、ディレイは山びこのような効果が得られるエフェクターです。リバーブは曲の雰囲気に合わせて奥行きを演出したり、ディレイも同様に奥行きを演出したり、時にはワンフレーズを強調するのに使われることが多いと思います。
最近はライブではミキサーに内蔵されていたり、レコーディングではプラグインが使われることも多く、単体の機材は大分減ってしまいましたね・・・。
アナログミキサーYAMAHA MG12XUのエフェクト部分にはSPXデジタルマルチエフェクトプロセッサーが搭載されています。リバーブ、ディレイをはじめとしたエフェクトが手軽に利用できます。
YAMAHA SPX-2000はYAMAHAのMGシリーズなどにもその機能を受け継がれているエフェクトプロセッサー。特にライブPAにおいてはSPXシリーズは使いやすさと、コストパフォーマンスのよさで一時代を築きました。
ダイナミクス系
これもよく使われるもので、代表としてはコンプレッサーがこれにあたります。ボーカルはほかの楽器と比較してもダイナミクス(小さい音と大きい音の差)が大きいため、簡単に言うと大きい音を抑え、音量のバランスを整えてあげるエフェクターです。
ライプPAで定番のdbx160Aはシンプルな操作体系でボーカルのみならずベースやドラムにも利用されます。
DAWのプラグインの定番ブランド、WAVESのRenaissance Compressor。シンプルな設定で、温かみのあるコンプレッションが人気のプラグインです。
音質の調整加工系
代表的に使われるのはイコライザーですね。ボーカルの場合はパラメトリックイコライザーがよく使われると思います。特定の帯域のカットやブーストをすることでボーカルの音抜けや、輪郭を強調する意味合いで使われることが多いです。
レコーディングではディエッサーというエフェクターが使われることもあります。これは働き的にはコンプレッサーになりますが、高域成分のサ行の耳に障る部分を緩和するために用いられることが多いです。
アナログミキサーYAMAHA MGシリーズのEQセクション、音作りの肝になるMIDは周波数が可変できるパラメトリックタイプになっています。
前述のコンプとともに人気のWAVESのRenaissance Equalizer。プラグインになると実際にどの帯域を変化させているか、わかりやすくなりますね。
モジュレーション系
代表的なものはコーラスでしょう。音に揺らぎを与えることで、音に厚みを与えたり、パラメーターをうまく設定することで2人で歌っているようなダブリング効果を演出したりします。モジュレーション系のエフェクトはコーラス以外にもフランジャーやフェイザー、トレモロなどがあり、ボーカルに使う場合トリッキーな効果を得られます。
上記のエフェクターに関してはあくまでも基本的に使われるエフェクターです。
では、次の項では加工や劇的に変化をさせるエフェクトなどをご紹介します。
ボーカルに使われるエフェクター(応用編)
歪み系
過激な演出によく使われるのが歪み系のエフェクトでしょう!ライブの場合はハウリングに注意が必要です。
歪みを併用する場合も有りますが似た効果に「ラジオボイス」や「メガホン」などがありますね。
ボコーダー
シンセサイザーにマイク入力し、言葉をシンセサイザーの音色に置き換えて合成する方式で、ロボットヴォイスなどともいわれる効果です。
海外ではクラフトワーク、
日本ではYMOの使用で有名ですね。
PUFFYの「アジアの純真」で使われてたりします。Roland VP-330が使用されているそうです。
現行ですとRoland BoutiqueシリーズでリイシューのVP-03がリリースされています。
ピッチコレクト(オートチューン)
ボーカルの加工と言えば、現在ではこれのことを思い浮かべる人も多いと思います!
Antares社が1997年にリリースしたAuto-Tuneは元は地震データ解析用のソフトウェアの技術を利用したもので、本来は音程の補正を目的としたソフトでしたが、それを積極的な加工に使用した楽曲が発表され、前述のボコーダーとは違うロボットボイスを作成するエフェクターとして脚光を浴びます!
やはり有名なのはDaft Punkや
T-Painなどでしょうか。
日本では中田ヤスタカさんプロデュースのPerfumeや。
ロックバンドのFear, and Loathing in Las Vegasなどもオートチューンボーカルをフューチャーしています。
オートチューンを使用するミュージシャンやジャンルも多岐にわたり、ボーカルの加工としてはひとつの手法として確立され日々進化を続けています。
さて、駆け足でご紹介していきましたが、次回以降はそれぞれのエフェクターについて詳しくご紹介して行こうと思います!
最後までお読みいただきまことにありがとうございました!