いまさら聞けない!?~SHURE SM58とBETA58の違いとは?

PA機器 店頭スタッフがご案内!
渋谷店デジタル担当の鳴尾です。

さて今回は!世界の定番ダイナミックマイク、私も大好きなSHURE SM58と、その上位機種としてラインナップされているBETA58について解説させていただきます!この2本のマイクロフォンはいったいどう違うのでしょうか?


以前に書かせていただきましたこちらの記事もご参照ください。
SHURE SM58が定番である理由とは

周波数特性


周波数特性と言うのはマイクの場合低域から広域までの集音(再生)可能な範囲のこととなります。下のグラフは左がSM58、右がBETA58の周波数特性グラフです。



スペック上は
SM58:50 Hz~15 KHz
BETA58:50 Hz~16 KHz
と、BETA58が高域の特性が良い事がわかります。そして上のグラフを見比べると特に5,000Hz辺りから20,000Hz辺りにかけてBETA58の高域特性の良さが見て取れるかと思います。これが実際の音に跳ね返ってくると「音のヌケが良い」と言うことになるのです。

しかしながら、みなさんも経験があると思いますが、ヌケの良さを演出するために高域をやたら強調するとなると問題になるのが「ハウリング」です。BETA58はそこをどうやってクリアしているのでしょうか?その理由は・・・

指向特性


SM58が単一指向性(カーディオイド)に対して、BETA58はハイパーカーディオイドとなっています。これはどう違うのでしょうか。双方ともにご存知のとおりマイクを向けた方向に音を拾う設計となっています。その範囲に違いがあるのです。



左がSM58、右がBETA58の指向特性表です。このグラフの円の手前側、0と書かれている方がマイクを向けた先そして180と書かれている方がマイクを向けている方向と反対側ということになります。ここで見比べると、SM58に比べBETA58の方が90度への方向への指向特性が少なくなっているのが見ていただけると思います。つまりは、90度(左右の方向から)の音が入る度合いがBETA58の方が少なく、指向性が鋭いと言うことになります。

指向特性を鋭くすることにより、先ほどの周波数特性上高域のレスポンスを良くしても、ハウリングが起こりにくいということに繋がっているのです。
BETA58の方が向けた方向にある音(歌声など)に対してよりフォーカスした集音が可能と言うことになり、ハウリングの原因となる余計な音を拾うことも少ない、となります。と、言うと「じゃあBETA58がそれだけ優秀ならSM58じゃないほうが良いの?」と言うことになってしまいますが、

それは違うのです。

BETA58は前述の通り鋭い指向特性により優れていますが、人間の声と言うのは向いた方向だけに聞こえていくものではないのは、みなさまご理解いただけると思います。
SM58はカーディオイドの指向性により、BETA58に比べ「空気感のある集音」が可能なのです。言い換えれば歌い手の息遣いやニュアンスと言うものを捉えることはある意味BETA58よりも優れていると言えます。それは言い換えればより「ナチュラル」なサウンドとも言えます。それを言い換えれば、SM58の方が音を拾う範囲がやや広いと捉えると「ギター/ベース・ボーカル」で使用するのならSM58の方が向いていると私は思います。

ですのでSM58とBETA58は性能差で比べるのではなく「どちらが自分にとってより向いているか」で考えていただければと思います。そしてSM58とBETA58の指向性の違いにおいてあまり知られることのない使用に関するポイントがございます。それがこちらです。



図の角度が違うのですが、左がSM58、そして右がBETA58 この図はマイクの指向特性がこうだから、推奨するモニタースピーカーの置き方はこういう風にしてください。というものです。
実はここにもSM58とBETA58の違いはあり、ハイパーカーディオイドの場合、先の指向特性表を見ると、180度の方向に少し指向性があるのがわかるかと思います。
ハイパーカーディオイドは左右からの音のかぶりには強いものの、この特性が出てしまうのでモニターは正面ではないほうが推奨されます。逆にSM58の場合は左右方向に指向性があるので、正面からのモニターの方がハウリングを起こしにくいということで推奨されます。よく「BETAはハウりやすい」と言われてしまうのは、実は正面にモニターがあることが多いからなのでは?と思います。

それ以外の違い


大きな違いは前述の2つになるわけですが、それ以外にも実は違いがございます。

重量
意外かと思うんですか、SM58は298g、BETA58は278gでBETA58が20g軽いんです。実際に20gではありますが比べるとわかる違いではあります。

グリル
これも意外に知られていないのですが、SM58のグリルは前にもご紹介した通り衝撃を吸収するために「凹む」用に作られています。
これに対してBETA58のグリルは硬化スチール製で「凹まない」ように作られています。

出力レベル
SM58に比べBETA58の方が出力レベルも高く設定されています。これによりノイズが持ち上がることは少なくなりかつよりクリアなサウンドに
貢献しています。

いかがでしたか?SM58と共に定番と言われるBETA58ですがその違いについてご理解いただけたら幸いです。
最後に個人的に大好きなSHUREのSM58の丈夫さを無茶な感じでご紹介している動画をご紹介します(笑)



お読みいただきありがとうございました!


この記事を書いた人

鳴尾 篤彦
渋谷店デジタルフロア担当。幼少に始めたピアノを始め、ギター、ドラムも演奏するマルチプレイヤー。DTM、レコーディング、PA関連のノウハウもあり、リハーサルスタジオや飲食店の音響システムのプランニングなども手掛ける。幅広い知識と経験でみなさまの音楽ライフをサポートいたします。

Social

Tweet