「欲しい音」へ一直線!|Universal Audio、オーディオインターフェース「Arrow」を発表!

Universal Audioから、「Arrow(アロー)」が発表されました。

「Arrow」は、Thunderbolt3(USB-C)を採用した2イン/4アウトのオーディオインターフェイス。

Mac/Windowsの両対応で、Universal Audioの他モデル同様、コンピューターに負荷をかけず、インターフェース本体に搭載されたDSPでプラグイン・エフェクトを動かすUAD-2プロセッシング(SOLOコア)を搭載しています。

Universal Audioのオーディオインターフェースでは、最上位のAPOLLO 8シリーズが20万円以上、続いてAPOLLO TWIN MKIIシリーズが10万円前後というハイエンドに重きを置いた製品展開のなか、今回の「Arrow」では、税抜5万円台と手に入れやすい価格で上位機種の恩恵を受けられる新モデルとなっています。

Universal Audioや同社のプラグイン・エフェクト(UAD)の解説も踏まえ、その特徴を順番に見ていきましょう!

 

Thunderbolt 3&バスパワー駆動


「Arrow」は、最新規格のThunderbolt「3」に対応。電源アダプターを必要としないバスパワー駆動に対応し、Thunderboltケーブルと「Arrow」を接続するだけでレコーディングが開始できます。持出しの際にも、電源アダプターを持ち歩かなくていいのは、かさばらず結構嬉しいですね。

現行品の他メーカーでは、USB3を使ったバスパワー対応のモデルもありますが、一般的にバスパワーを用いることで多少なり音質のロスが発生してしている可能性があります。
「Arrow」では、最大100Wの電力が供給できるThunderbolt3を採用することで、データの高速転送と共に音質のロスを防いでいます。


▲Thunderbolt3端子。

-「快適なバスパワー駆動でも、音質を犠牲にしない。」

Universal Audioの音質へのこだわりが見えますね。


▲背面の入出力端子。入力は標準/XLRコンボジャック×2。


▲正面にヘッドホン端子(右)とギター用Hi-Z入力(左)。背面のCH1に何か入力があった場合、Hi-Z入力が優先となる(最大2入力)。また、トップにボリュームコントローラーを配置。ギターを抱えながらの操作も快適に行える。


▲入出力レベルはインジケーターで確認できる。

 

ビンテージ・ハードウェアを再現する豪華UADプラグイン「Realtime Analog Classics」

「Arrow」には、すでに発売中の「Apollo Twin MKII」シリーズと同じく、Universal Audioが誇る秀逸なプラグイン(UADプラグイン)「Realtime Analog Classics」が付属。収録されているエフェクトは以下です。

●UA 610-B Tube Preamp and EQ
●Marshall Plexi Classic Guitar Amp
●Precision Delay Modulation
●Precision Delay Modulation L
●Precision Reflection Engine
●Precision Channel Strip
●PultecR EQP-1A EQ Legacy
●PultecR Pro EQ Legacy
●Raw Distortion Guitar Pedal
●Realverb Pro
●Softube Bass Amp Room 8×10
●TeletronixR LA-2A Compressor Legacy
●UA 1176LNR Compressor Legacy
●UA 1176SE Compressor Legacy

歴代の銘機を含むプリアンプやEQ、コンプレッサーといったレコーディングやマスタリングに不可欠なプラグインから、Marshallプレキシアンプ、定番ディストーション「RAT」のモデリング「Raw」等を収録。


▲UA 610-B Tube Preamp and EQ。Duke Ellington から Coldplay に至るまで、多くのアーティストに愛される伝説のクラシックハードウェア。独特の温かさ、サチュレーションを再現できます。


▲Marshall Plexi Classic Amplifier。ロックサウンドには欠かせない「プレキシ・アンプ」。AC / DC の Back in Black や Highway to Hell を録音したエンジニア Tony Platt によって見事に配されたマイクとともサウンドを再現。


▲Raw Distortion。80年代初期のビンテージ Pro Co Rat をモデリングした Raw Distortion プラグインにより、伝説のストンプボックスの持つザラつき感、ダイナミクス、そして荒々しさが蘇ります。Hi-Z入力は Unisonテクノロジーにも対応しており、実機が持つ真のトーンとフィーリング、レスポンスそのままを体感することができます。

これらUADプラグインは、Universal Audioサイトでアカウント登録後、ダウンロードできます。「Arrow」をThunderbolt接続することで、ハードウェア認証が行われます。その後オーソライズを行い使用できます。

付属する「Realtime Analog Classics」の他にも、Universal Audioサイトから追加で購入することも可能です。

 

アナログ特性を制御する「UNISONテクノロジー」

UADプラグインが「極めて本物に近い音」と称されるのは、同社が長年アナログ機に携わってきたメーカーであることはもちろんですが、「UNISONテクノロジー」の存在を見過ごすことができません。

「UNISON」=「(実機と)同じことをやる」と捉えて頂けると分かりやすいかもしれません。

UADプラグインは、数々の銘機をソフトウェアで再現しているわけですが、「UNISONテクノロジー」対応のプラグインでは、立ち上がった瞬間に、オーディオインターフェースのプリアンプをデジタルで制御し、インピーダンスやゲイン・ステージが、実機と同じ挙動になるのです。

これにより、プラグインソフト内でデジタル処理を行い「それっぽく似せる」処理だけでなく、入力されるアナログの信号そのものが、実機を用いたときと近いものになりますので、プリアンプやエフェクターがもつ細かな音のニュアンスまでも再現することに成功しているのです。

ハードウェアとソフトウェアの画期的な統合技術により、プロのエンジニアが聞いても納得の「あの音」が作り出されているわけです!

「UNISONテクノロジー」に関して、下記の動画も参考になりますので、是非ご覧ください。

ちなみに、「Arrow」に付属する「Realtime Analog Classics」では、「UA 610-B Tube Preamp and EQ」「Marshall Plexi Classic Amplifier」「Raw Distortion Guitar Pedal」が、UNISONテクノロジーに対応しています。(「Marshall Plexi Classic Amplifier」と「Raw Distortion Guitar Pedal」は、正面のHi-Z端子入力時適応)

性能の良いオーディオインターフェースは数あれど、この「UNISONテクノロジー」の恩恵を受けるために、Universal Audio製品を選ぶ理由もあると思います!

 

UADプラグインは、本体のDSPで駆動


▲UADソフトのコンソール画面。

そんな魅力的な「Realtime Analog Classics」は、オーディオインターフェース本体に搭載されたDSPで動きます。「弾いていて(歌っていて)気持ちがいいこれらのエフェクトをかけた状態でレコーディング(いわゆるかけ録り)をするときも、レイテンシーを気にせず録音可能です。もちろん、DAW上でプラグインとして立ち上げることも可能です。この場合も、インターフェース本体のDSPで動きますので、コンピューターのCPUに負荷をかけることなく、制作、演奏が可能です。

「Arrow」では、プロセッサーが1基の「UAD-2 SOLO」を採用。「プロセッサーが1基だから、同時に立ち上がるプラグインが1つ」というわけではないのでご安心を。コンピューターのスペックにもよりますが、現行のコンピュータだと、3~4つくらいは同時に使用可能かと思われます。(ちなみに、UADソフト上では、同時使用できる数の限界に達する前にアラートがでます)


▲Cubase上でプラグイン・エフェクトとして立ち上げた様子。

 

使えるコンピューターは…?

最低動作環境は、以下となっています。

・Thunderbolt 3(USB-Cポート)端子を搭載したMacintoshまたはWindowsコンピューター
・macOS 10.12 Sierra、または10.13 High Sierra (Macintoshコンピューターの場合)
・64ビット版のWindows 10 Anniversary Update (Windowsコンピューターの場合)
・6GB以上の空きハードディスク容量
・インターネット接続環境(ソフトウェアインストール、製品登録、追加プラグイン購入のため)
※Thunderbolt 3ケーブルは別売りです。
※Quad Core i7以上のプロセッサーを推奨。

昨今、接続端子や規格の変更が目まぐるしいので、「Thunderbolt?」「え、USB-C?」という方も多いかも知れません。

「Thunderbolt3」というのは規格の一種で、「Arrow」のThunderbolt接続は「USB-C」という端子を用います。なので、「USB-C端子搭載でかつ、Thunderbolt3に対応したMac/Windows」が使用の前提となります。

USB-C端子を搭載しているコンピューターでも、Thunderbolt3に対応していないコンピューターもありますので、注意してください。

Macですと、2018年1月17日現在、Appleのウェブサイトに掲載されているラインナップで、「MacBook Pro」「iMac」「iMac Pro」が、Thunderbolt3に対応かつ、USB-C端子を装備しています。

「MacBook」は、USB-C端子を備えていてもThunderbolt3は非対応、「MacBook Air」「Mac Pro」は、USB-C端子がなく、
Thunderbolt 「2」となり非対応です。macOSは、10.12 Sierra以降で対応となります。

「Thunderbolt 3(USB-C)と Thunderbolt 2の変換アダプタがすでに売られており、こちら使えば…とも思いましたが、残念ながら動作しない模様。(上位機種で先に発売されている、APOLLO 8シリーズAPOLLO TWIN MKIIシリーズは、Thunderbolt2が使えます。)

Windowsも同様に、USB-C端子を装備かつThunderbolt3に対応するコンピューターで「Arrow」は使用できます。64ビット版のWindows 10 Anniversary Update が対応します、

わりと最近モデルでないと、この要件は満たしていないかもしれません。ですが、今後のモデルチェンジを経て、USB-C端子でThunderbolt3が使えるモデルが増えてくるはずです!

また、ケーブルも同様に、USB-CのケーブルでもThunderbolt3に対応しているものと、そうでないものがありますので、購入の際は注意してください。(Thunderboltケーブルは別売となります)


▲Thunderbolt3ケーブルは、Thunderboltのロゴマークが入ってる。

ご紹介しましたこの「Arrow」、「出したい音を最もシンプルに出す」というテーマから、一直線を連想できる「矢」がモチーフになり、「Arrow」という製品名になったのだとか!

単に高音質設計のオーディオインターフェースというだけでなく、秀逸なプラグインに加え、ギタリストが扱いやすいシンプル設計、これはもうギタリスト向けオーディオインターフェースの次世代定番に決まりでしょう!

特に、現在1万円~3万円くらいのオーディオインターフェースをお使いのギタリストの方が、インターフェースのグレードアップを考える際、是非おすすめしたい一品に仕上がっています!

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【Universal Audio / Arrow】
■発売日:2018年1月17日(水)
■価格 :58,000+税

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