いまさら聞けない!?~GM(General MIDI)とは?

渋谷店デジタル担当の鳴尾です。

General MIDI、通称GMとStandard MIDI File、通称SMFについてご案内しましょう。
今回はGM編です!

MIDIについてはこちらの過去記事をどうぞ
いまさら聞けない!?そんなあれこれ~MIDI編

1981年にMIDI規格が登場して、それまでシンセサイザーやシーケンサーをつなぐのにあった障壁がなくなりました。
そこから目覚しい発展を電子楽器は遂げていくことになります。
こちらの過去記事をどうぞ
テクノロジーとともに進化する音楽~ミュージックシーケンサー編その3

そして時が過ぎ、PCでのMIDIの打ち込みが一般的になるにつれ、ある問題が起こります。
マルチティンバー(複数パートの演奏が可能)音源が一般的となり、MIDIの打ち込みで曲を作ることが多くなると、そのデータの共有が難しいことが起こってしまったのです。
今の時代は音声データを手軽にやり取りできる時代になりましたが、当時はまだ記憶媒体といえばフロッピーディスクがメインの時代。
まず当時のDTM環境ですと、音声データ(WAVEファイルなど)を扱うことはできませんでした。
そんな中、曲データをやり取りするとなると、フロッピーディスクにMIDIデータを入れて渡す、それが最良だったのです。

そこで登場したのがGM、そしてSMFだったのです。

1991年に音色マップ、コントロールチェンジなどを定めたGM規格とMIDIの演奏データを記録するための基本ファイルフォーマットとしてSMFが制定されたのです。

General MIDIとは

それまでシンセサイザーや音源モジュールの音色は各メーカーが自由に決めていました。
そのため、同じシンセや音源を持っている同士以外では同じ音色で演奏することが不可能だったのです。

1987年に発売されたRolandのMT-32がDTM音源としてヒットしたのですが、製作したデータは同じ音源を持つ人同士でしか共有できなかったのです。

それをある程度統一した規格により、MIDIデータのやり取りでお互いの曲を聴く環境を整えることができたのです。それがGM規格です。

これによりDTMユーザー同士で曲のMIDIデータを共有することができるようになりました。
当時としては画期的なことだったのです。

そのGM規格の音源として大ヒットしたのがRolandのSCシリーズ。初代はGM規格制定された1991年発売のSC-55です。

GM規格がもたらした恩恵のと、当時の目覚しい機材の進歩によって生み出されたSCシリーズはDTM音源のメインストリームとなりました。私も持ってました!
沢山の音色が鳴らせて、16パートも違う楽器の音を鳴らせる音源が低価格で登場したため当時としては画期的でした!

GM規格では
・同時発音数24
・ベロシティーに対応
・16チャンネル使用可能
・各チャンネルでの同時発音が可能

この条件を満たす必要がありました。

音色の配列
楽器音とProgramの番号を決められたものにされ(例:1がAcousticPiano) 128音色が決められた音色で並べられました。
そして、16チャンネルのうち10チャンネルはドラム(パーカッション)用として使用され、そのドラム音色の並びも決められました(ドラムマップ)
このドラムマップ、今でもほとんどのシンセや音源で採用されています。
CUBASEにもデフォルトでGMMapがありますよね。

知らず知らずのうちに指ドラムしちゃう方のほとんどこの配列を覚えてますよね~!

Controller events
1 モジュレーション
6 データエントリ MSB
7 ボリューム
など、演奏表現などに必要なコントロールを受けれるようにする必要がありました。

DTMが普及していくにつれ、実際に楽器の演奏ができない人も手軽に音楽制作ができるようになり、インターネットが徐々に普及する中でMIDIデータで音楽をいろんな人に聞いてもらうという文化が育っていった背景があります。
当時のインターネットの回線速度を考えるとまだ大きなデータの転送は難しい中、MIDIデータは比較的小さなデータでやり取りがしやすかったのも普及した要因だと思います。
現在と違い、MIDIデータならではの音楽表現と言うものがたくさん生まれたのもこの時期です。

次回はGMと密接な関係にあるSMFのご紹介も含めてご案内したいと思います。

最後までお読みいただきまことにありがとうございました!

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