【特集】定番のU 87 Aiより優れた性能も！？｜自宅録音用のちょっといいマイク NEUMANN 「TLM 103」

公開済み 2022年8月8日 · 更新済み 2022年9月7日

現在は多くのマイクが販売されていて、自宅でボーカルやアコースティックギターを録音する場合、マイク選びだけでも迷ってしまいますね。色々なマイクがありますが、中でもNEUMANNのU 87 Aiは今でも不動の地位を築いていると言って過言ではないでしょう。プロの間でもU 87 Aiを買っておけば間違いないと言われる定番マイクです。

しかし、ちょっといいマイクを買ってみようと思ったとしても少々お値段が高いので、なかなか手が届くものではありません。

そんなNEUMANNに「現代版U 87」というコンセプトの、U 87 Aiよりお手頃価格のマイクがあることをご存知でしょうか。

TLM 103というマイクなのですが、U 87 Aiよりもコンパクトで、機能を絞って価格を抑えた優秀なマイクです。自宅録音用のちょっといいマイクをお探しの方に向けて、このTLM 103を紹介してみたいと思います。

※記事中に出てくるサスペンション（大型のマイクホルダー）は別売りです

■NEUMANNデザイン傘がついてくる数量限定バンドル登場！

本記事で紹介しているTLM 103は現在特別キャンペーン中！NEUMANNデザイン傘がついてくる数量限定バンドルが発売されています。夏でも雨でも大活躍。お部屋に飾ってもカッコいい、非売品のNEUMANNデザイン傘をゲットしましょう。数量限定なのでお早めにお買い求めください。

■そのまま録ればいい音！現代向けにチューニングされた特性

U 87 Aiというマイクはリッチな中低域や粒度の細かい音、そして録音後の編集に耐えうる
音と、プロフェッショナルが愛する特徴をいくつも持っています。しかし一方で、良い機材が揃っている環境で、音の扱いに熟練したプロフェッショナルが扱うことでパフォーマンスを発揮するマイクでもあります。能力を発揮させるのがちょっと難しいということです。

これに対しTLM 103は現代の音楽制作環境に向けてチューニングされているので、誰が使ってもそこそこいい音になるマイクということができます。以下の周波数特性グラフをご覧ください。

どの高さの音をどのくらい収音するかというグラフで、上下は音の大小、左右は音の高さで、右側が高い音になります。

右側の方がすこし持ち上がっているのがおわかり頂けると思いますが、これは高域を大きく捉えることを意味しています。

録音した音の高域をブーストすると明るくてよく聞こえる音になるため、高級感が出てきます。通常は録音中や録音後にエンジニアさんが調整しますが、TLM 103では予めブーストされているため、録音したままで良い音に聞こえてきます。

■大音量に耐え、低ノイズ。現代にマッチするトランスレス型マイク。

他にも現代の環境にマッチさせたと思われる特徴がいくつもあります。

例えば耐音圧。どのくらい大きい音に耐えるかという数値ですが、なんと138dBという数値になっており、これは先述のU 87 Aiよりも大きい音に耐えるということになります（数字が大きい方が大音量です）。飛行機のジェットエンジンの音は120dBと言われており、スネアドラムを至近距離で聞くと140dB程度。

138dBという数値は、普通の楽器を普通に録音する場合、マイクで歪んでしまうことがほとんど無い数値ということができます。エンジニアさんのように緻密なセッティングができないミュージシャンやボーカリストが使っても歪みにくいマイクということができます。

また、現代においては録音機器が発達して低ノイズ化しているため、マイクそのものが持つノイズが昔よりも目立ってしまいます。安価なマイクを使ったことがある人は、マイク本体のノイズに悩んだことがあるのではないでしょうか。

TLM 103はトランスレスという設計によって低ノイズと高耐音圧を実現。トランスレス型にもいくらかのデメリットはありますが、現代の自宅録音においては低ノイズと高耐音圧というメリットの方が重要なので、問題ないでしょう。どのくらいのノイズがあるかという等価ノイズレベルという数値でもU 87 Aiを上回る低ノイズ性能を記録しています。

■コンパクトでセッティングしやすい筐体

紹介してきたように部分的にはU 87 Aiを上回る高性能を低価格で実現していることがTLM 103の特徴です。スペックだけでなく、実際に使ってみるとさらに満足度が高まります。

パッケージもU 87 Ai同様のNEUMANN木箱に収められています。この木箱はNEUMANNの特徴のひとつであり、マイクを扱う人の憧れのひとつでもあります。とてもしっかりと
した重厚な木箱は、ギターで言えばGibsonのハードケースのような赴きがありますね。

手にとってみると、コンパクトながらもずっしりとした重さを感じます。重さはなんと450g。安価なマイクと異なり、筐体の材質も上位機種同等の重厚なメタル素材。中身もぎっしり詰まっているので、とても重いのです。マイクスタンドもそこそこしっかりしたものでないと耐えられないことは唯一気をつけるべきことかもしれません。